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先生!おじゃまします。「管理栄養学科・伊藤薫先生」

伊藤薫教授研究のきっかけは、家族の高血圧症

健康栄養学部管理栄養学科 基礎栄養学研究室
愛知県生まれ。椙山女学園大学食物学科管理栄養士専攻卒業後、宮崎大学獣医学科で研究に従事し、学位を取得。その後、宮崎医科大学第1内科(現宮崎大学医学部)で研究を行い、'01年から南九州大学へ。

研究のきっかけは家族の高血圧症

先生の研究テーマは栄養代謝と生活習慣病との関係ということですか。

高脂血症、高血圧症、動脈硬化など生活習慣病による生体の機能変化、食品成分がその機能変化にどのように影響するのかヽといったことを研究しています。

研究の出発点は、私の両親、祖母、母方の親戚がみんな高血圧症で、「家系と関係があるのか」という素朴な疑問からです。一般的に加齢とともに血圧は上がるものですが、「なぜ血圧は上がるのだろうか」「上がるとどうなるんだろう」と興味が高じて現在に至っています。

研究していくと、同じ食事をしているのに上がる人と上がらない人のいることがわかりました。生活習慣病は生活習慣(食事習慣)と遺伝子的欠損(家系)が要因になっていますが、食事習慣が遺伝子の変異(欠損)を誘引することがわかってきたのです。

担当の講座は、どんな内容でしょうか。

基礎栄養学(1年次)は、健康の保持や増進、病気の予防や治療で、「栄養」はどんな役割をしているのかを学ぶものです。食べた食品の栄養成分が、体内でどのように栄養素として代謝(エネルギー変換など)されていくのか、栄養代謝の全体像をつかむものです。

栄養生理学実験(3年次)は、基礎栄養学や生化学などの基礎学問に基づいて、栄養素が体内でどんな働きをするのか、栄養状態の変化がどう影響するのかをラットを使って学ぶものです。

つまり基礎学問で学んだ知識を、実験で検証するものです。ですから、基礎栄養学をしっかり学んでいないと、実験結果の現象がなぜ起きたのか、あるいは起きなかったのかを理解することができません。

マウス?どんな実験なんですか。

実験でラットやマウスを使うのは、私たち人間と同じ脊椎動物であり、ライフサイクルが短いので、短時間で影響が出るからです。実験は、学生が自分たちで1週間ラットを飼って、エサを変えていくやり方です。

例えば、たんぱく質の種類を変えます。たんぱく質の多いエサ・ないエサ、栄養価の高いエサ・少ないエサという具合にグループ分けします。1週間後、体重、血中成分の変化を見るのです。

つまり、摂取する食品の質が成長や体の機能に与える影響を実験するのです。人間の偏った食生活をラットで極端に再現するわけです。

これからの栄養指導とは。

栄養素の代謝や機能を理解していないと栄養指導はできません。しかも、個々の代謝機能が異なるわけですから、単純に栄養価の数字だけでは、健康維持、治療食としての効果は望めません。その人のライフスタイル、どんな1日なのか、デスクワーク、立ち仕事、歩くのか、車なのかによって運動量が違います。

しかし、生活習慣病は、栄養を過剰にとっても、症状がすぐに出るわけではないので、なかなか理解が得られない。そのために代謝の仕組みなど基礎学問をしっかり学んでいないと、相手に食生活、生活習慣を改めてもらう説得力が伴いません。

今までは、規定の目標値で「はい、あなたはこれです」と十把ひとからげでしたが、これからは世代別、体重、筋肉の量などを測定したうえで、目標値を設定し後に修正する、きめ細やかな栄養指導が求められます。

これから管理栄養士を目指す人へのメッセージをお願いします。

入学時の授業では、私の経験を踏まえて身近な人、家族を健康で幸せにするために栄養指導するように教えています。身近な人の栄養指導ができなければ、他人はもっと難しいわけです。

管理栄養士は、食の専門家ですから、食物を使って健康を維持する、食事が適切か審査する役目です。それには「健康って何」という問題意識を持ち、人の健康に関与していきたいという志を強くしてほしいですね。

学生に聞いてみました。伊藤先生の魅力。

鎌田亜紗美さん、平崎友里さん、中山あすかさん、横山千恵さん

こんなことをやっています。

伊藤研究室の活動 高脂血症マウスを用いた実験

先生の部屋にこんなものがありましたけど?

ホワイトボード、愛ネコ・ドラくん、ネコグッズ
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