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先生!おじゃまします。「管理栄養学科 小川恒夫先生」

先生おじゃまします。vol.17 小川恒夫教授(健康栄養学部管理栄養学科生理学研究室)メタボリック症候群をメカニズム解明と予防・治療法の両面で研究
先生の研究テーマであるメタボリック症候群とは?

現在、日本人の三大死亡原因は脳血管障害・心疾患・がんです。このうち脳血管障害と心疾患は、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病を有している人に多く発症しています。

従って、以前の検診では、このような疾患を早期に発見し治療するということが行われていました。ところが、10年ほど前から脂肪細胞の研究が盛んになり、脂肪細胞は単に余ったエネルギーを蓄えるだけでなく、動脈硬化や高血圧を起こすようなさまざまな悪玉因子を作り出し、生活習慣病の発症の原因になっているということが分かってきたんです。

そこで、その原因である肥満を解消することが大切となり、平成17年にメタボリック症候群の診断基準が作られました。腹囲が男性85cm、女性90cm以上の人で、なおかつ血圧・血清脂質・血糖のうち2つ以上で異常を示せば、メタボリック症候群と診断されます。腹囲に関しては、今、見直しの声も上がっていますが、平成20年からこの基準で対象者に対する特定保健指導が始まりました。

具体的にはどんな研究ですか?

メタボを解消するには、食事量を減らして運動量を増やせばいいと頭では分かるのですが、実行となるとなかなか難しいものです。そこで、効果が見られ、長続きする食事運動療法について、学生さんの協力を得ながら研究を進めています。ゼミの学生さんには実際に1カ月間、軽い運動をしてもらって、体脂肪、体重、腹囲などの変化を実感してもらっています。

また、メタボ解消に有効な食物中の成分について研究したり、メタボ発症時に細胞に働くサイトカイン(ホルモンのような物質)や遺伝子の変化について、ヒトまたはラットを用いた研究を行ったりしています。

授業や実習ではどんなことを学ぶのですか?

1年次には「からだと疾病」という講義があります。まず医学の基本である「解剖学」を学び、次に「生理学」で、正常なヒトの体の働きを学習します。さらに、そこに異常をきたしたらどのような変化が起こるかという「疾病学」が入ってきます。2年次には「からだと疾病実習」という科目があります。管理栄養学科の学生さんは、卒業後、医療機関で働く方が多いので、病院で行われる主な検査を体験し、その意義を学んでもらうのです。尿検査、血液検査、心電図検査、肺機能検査、血圧測定など、一般の病院で受けるような検査は、ほとんどすべて受けてもらいますね。

また、ゼミ生は、例えば炭水化物50gという条件のもとに、いろんなメニューを調理法や調味料を変えながら作って、食事後の血糖値の変化を調べるなど、将来の仕事に役立つような研究を行っています。

学生さんにメッセージを

メタボの概念は急速に広まってきましたが、食事指導が必要な患者さんは、とてもたくさんいらっしゃいます。皆さんにはしっかり勉強して、ぜひ国家試験に合格し、管理栄養士としての誇りを持って医療機関などで活躍してほしいと思います。なにしろ、医師や看護師、薬剤師は病気になってしまった後の対策が主な仕事ですが、皆さんはその前段階でメタボをくい止めるという立派な仕事ができるのですから。皆さんを待っている患者さんがたくさんいますよ。

ゼミ学生に聞いてみました。小川先生の魅力 先生の部屋でこんなモノ見~っけ! 腹囲測定用メジャー

あなたは大丈夫?

研究室にいつも置いているという腹囲測定用のメジャー。先生によると「メタボかなと思ったら測定してみましょう。無理におなかをへこませて測るのは×。現実を直視すること。あとは努力あるのみ」とのこと。ただし、先生はメジャーなんて必要ないほどスリムです。


自己血糖測定機器

自分で計って健康管理

指をテクッと刺すだけで、自分の血糖値がすぐ分かる自己血糖測定用機器。「自分で指に針を刺すなんて」と思うけど、I型糖尿病の子供は自分で測定しているそうです。自分の血糖値がどれくらいか、なんだか知りたくなります。


万歩計

今日は何歩かな?

研究室の誰でも使える万歩計。学生たちも自ら運動療法を実践する小川先生の研究室では、使用頻度大。これを着けているだけでも、歩数が増えるんだとか。これさえあれば、バス通学をやめて家から歩いて来るぞと、頑張る気分が湧いてくるかな。

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