先輩たち
OBメッセージ
花塚 久美子
(株)井上鉄工所勤務
園芸学科 平成15年度卒業
栃木県・宇都宮短期大学附属高校出身
夢は、農家のお嫁さん。さらに勉強を深めて、立派な農業人になりたい。
農家のお嫁さんになること。それが子どもの頃からの夢でした。南九州大学は、そんな私にとって絶好の場所。講義では、野菜の特徴や稲作の栽培方法について学び、実習ではトラクターの運転にもトライしました。
在学中、とくに思い出に残っているのは、恩師の存在です。あるとき、私が卒業研究に使う材料の栽培に失敗してしまい、「一年前に戻ってやり直したい」と弱音を吐いたとき、先生はこうおっしゃってくださいました。「いま変わろうとしない人間は、何年前に戻っても同じ過ちしか繰り返さないよ」。その言葉はずっと胸に残っており、社会人になったいまでも大切にしています。
「栃木ヰセキ販売(株)」に就職しましたが、主な仕事は、新製品のPR活動でした。もっと手に職をつけて農業に係わりたいと思って、転職。ハローワークで「農業用水路の水門製作・現場取り付け」と書いてある募集用紙を見て、「これだ!」と直感が働き、思い切って飛び込みました。
いま取り組んでいるのは、農業用水路の水門製作。それぞれの水路に適した寸法で製作し、現場に行って取り付けを行っています。水は、米づくりに欠かせないものです。水路も農家の人にとってとても大切なもの。だから、決していい加減な仕事だけはしないよう一生懸命取り組んでいます。
これからの目標は、やはり「農家のお嫁さん」かな。今後も農業についての勉強を深めながら、立派な農業人になりたいと思います。
飯田 稔
東邦レオ株式会社勤務
造園学科 昭和56年度卒業
福岡県・西南学院高校出身
自分の愛する人に、この緑を伝えたい。そんな熱い想いで、緑の提案をしています。
私たちが学生の頃は、"受験戦争"といわれていた時代。私のような浪人生のなかには目標を失ってしまう者もいたし、挫折してしまう人もたくさんいました。だから大学では、「入学した後で目標をみつけた」といった方が正しいかもしれません。
学生時代は、常に図面の製作に追われる毎日がつづいていましたが、興味のあった樹木や土壌については真剣に勉強していましたね。
現在働いている職場は2社目です。最初の会社は地場大手の造園会社で、在職中に独学で樹木医の免許を取得。それがきっかけとなり、この資格をもっと有意義に活かせる場所を求めて現在の「東邦レオ(株)」に再就職したのです。
この会社は造園緑化資材メーカーで、土壌を調査、分析し、そのデータに基づいた土壌改良法を策定することが主な仕事です。大学で学んだことがそのまま社会で通用するわけではありませんが、それでも学生時代に広範囲の知識を学ぶことができたことが社会人になってからも非常に役立ちました。いま私は、緑の仕事に携わっていることを誇りに思っています。
部下や新人のスタッフには常々、「自分が手掛けた公園に孫を連れていったとき『ここはおじいちゃんが提案してできた公園なんだよ』と胸を張っていえるような仕事をしなさい」と伝えています。自分の愛する人に好きになってもらいたい。そんな想いで緑を創ったら、きっと多くの人に喜ばれるものをつくることができるのではないでしょうか。
紺谷 靖英
南九州大学 教員
園芸学部 食品工学科(現 食品開発科学科)平成2年度卒業
兵庫県・三木東高校出身
努力は裏切らない。自分なりの目標を見つけて、邁進してほしいと思います。
私は、高校生の頃から生命の不思議に興味を持っていました。おりしも科学の世界では、バイオテクノロジーなどの農芸化学分野の進歩が著しく、私も将来、生命科学に関する仕事をしたいと考え、南九州大学を選択したのです。
私が学んだ食品工学科(現食品健康学科)では、食品を理解するための応用分野だけでなく、化学や生物学、物理学などの基礎的な分野も多角的に学習しました。とくに興味を持ったのは、化学的手法によって生命現象を研究する生化学の世界。この学問との出会いは、後の私に大きな影響を与えています。
また、在学中に学習指導や進路指導をしてくださった先生方や教授との出会いも大きかった。ある先生からは自然科学に対する物事の見方・考え方など、つまり思考方法のトレーニングを受けることができ、それは研究者としての自分の精神的な柱にもなっています。
現在の職業は、南九州大学の教員。研究内容はウイルスによる健康被害について、あるいは肥満を基礎とした生活習慣病の発症機構に関する研究です。今後は、これまで培った研究経験を活かして、私が大学時代に教授から学んだように、学生たちにさまざまなモノの見方を伝えていければと思っています。
大学生活の4年間は長いようで、あっという間です。無駄に過ごすも有意義に過ごすも自分の計画次第。できれば、自分が打ち込めることを見つけ、その目標に向かって邁進してほしい。努力は結果を裏切りません。この場所で多くの人と知り合って築き上げた人間関係は、一生の財産になるはずです。
原 隆志
島根県立松江農林高等学校 教諭
園芸学科 平成3年度卒業
島根県・松江農林高校出身
豊かな自然をフィールドにして、植物の生命力を五感で学ぶ。
南九州大学を卒業したあと、私は地元の島根県に戻って農業高校の教員になりました。現在は、産業教育内地留学研修へ参加できる機会に恵まれ、再び南九州大学で1年間の研修を行っています。およそ10年ぶりにもどってみて改めて実感するのは、大学の建つこの土地は、本当に自然が豊富な場所だということ。
この豊かな緑を舞台に学べるのは、自然を探究する学生たちにとってとても幸せなことだと思います。
農業は、まず理屈よりも身体で実感することが大切。パソコンやレポートで知識を身につけることも重要だけど、それ以上に芽が出たり、花が咲いたり、枯れたりという生命力を五感で受けとめることがとても大切なのです。私はそうした喜びを後輩たちに伝えたくて、教職の道を選びました。土の上で、生命を育て上げる喜びを学んでほしいと思いながら、生徒たちと向き合っています。
現在、農業はいろんな分野で注目されています。たとえば、「園芸療法」などがそのひとつ。人々の身近にある植物の生長に携わることで安心感や生きがいを感じることができ、その効用は教育や福祉、医療の分野でも活用されはじめています。
このように、植物には数値では計り知れない力がたくさんあり、新しい可能性も無数に秘めています。南九州大学の高鍋キャンパスは、そうしたエネルギーが満ちあふれる場所。私自身がそうだったように、皆さんもこの場所を訪れればきっとその魅力を実感できるはずです。
佐藤 ふみ
下電造園土木株式会社勤務 1級造園施工管理技士・2級土木施工管理技士
造園学科 平成11年度卒業
石川県・金沢錦丘高校出身
実習で身につけたスキルが、社会での一歩に大きく役立っています。
いま私は、造園・土木関連の会社に勤務しています。主な仕事は、個人宅や病院などに向けた外構(エクステリア)・造園工事の営業。プランの提案から見積の作成、現場管理までトータルに担当しています。
就職前は、現場で作業する仕事に就きたいと思っていたのですが、将来を考えたとき、やはり実作業だけでなく自らプランニングできる力も必要だと思い、現在のセクションを希望しました。お客さまの要望のなかには、店舗やビルの屋上緑化なども少なくありません。私はこうしたスペースを利用して、人々が楽しめる憩いの場を提案していけたらと思っています。
南九州大学では、研究室の先生にたいへんお世話になりました。私自身は特に優秀でもなく、わがままなところもあったと思いますが、先生は私たちのいろんな意見をひろい心で受けとめてくださいました。私がのびのびと学生生活を送ることができたのも、先生がやさしく見守ってくださったからだと思います。
授業では実践に即した内容が多かったので、確かな力を身につけることができ、そのスキルが社会での一歩にも大きく役立ったような気がします。 とくに、資格をもつことによって得られた自信は本当に大きいものでした。
大学での4年間では、勉強も、部活も、遊びも、精一杯やればそれだけ大きな価値が得られます。 皆さんも、ここでたくさんの人と出会い、かけがえのない時間を過ごしてください。
祖父江 功昌
徳島県立城西高等学校教諭
造園学科 平成9年度卒業
徳島県・徳島農業高校出身
将来は"DASH村"のような環境をつくって、自然のなかで教育活動に取り組みたい。
造園の分野は多岐にわたっていて、設計から施工、都市計画まで実にさまざまです。南九州大学では、そうした幅広い分野について一連の知識を学ぶことができました。なかでも興味深かったのが、緑地環境の保全について。研究室では、尾鈴川や霧島などの渓流でフィールドワークを行いながら、自然を相手に学習する毎日でした。
一般的には、「自然保護」という言葉がよく使われています。しかし、実際に自然とふれあってみると、自然は保護するものではなく、「共生していく」という発想が大切であることを実感。自然と人が共に生かし合うことができれば、それが環境保全につながるのだと思います。
友人との思い出では、屋久島に2週間ほど滞在したのが心に残っています。島内のキャンプ場でテントを張り、縄文杉や宮ノ浦などを見学。この他にも、バイクで九州を巡ったり、照葉樹林で有名な綾町をトレッキングしたりと、アウトドアを満喫しました。こうしたさまざまな体験を得ることで自然への想いがいっそう深まり、将来の夢を決めるひとつのきっかけになったと思っています。
現在、私は、母校である徳島県立城西高校で農業を教えています。今年は測量や情報処理の指導を担当していて、ほかに山岳部や農業の顧問も任されています。
教師として常に思っていることは、何歳になっても挑戦しつづける人間であること。将来は仲間たちと"DASH村"のような環境をつくって、自然をとおして若い人たちに指導していけたらと思っています。
※学科改組により、緑地保全学研究室は地域環境学科に移っています。
小島 方斗
キリン ウェルフーズ株式会社勤務
食品工学科(現 食品健康学科)平成4年度卒業
神奈川県・横須賀学院高校出身
健康食品の可能性を開いて、多くの人に喜んでもらいたい。
私が勤務しているキリンウェルフーズ(株)は、キリンビール(株)のグループ会社で、主に健康食品の製造・販売を行っています。そのなかで、私は商品開発の分野を担当。健康食品の可能性を日々追究しながら、お客さまに長く愛用していただける商品づくりに取り組んでいます。
現在、市場にはさまざまな健康食品があふれていますが、私が大学生だった頃はまだ味も形態も洗練されておらず、錠剤で栄養を補助するものがほとんどでした。
私はそうした商品を前に、もっとおいしい健康食品をつくり出すことができれば人々に注目されるのではないかと思い、現在の職業を選択しました。健康食品ブームは今後ますます高まり、いろんな企業の参入が考えられます。そのなかで大切なのは、「この商品だから安心、何か新しいことを提供してくれるはず」と思えるだけの価値の差別化。
いまの私の目標は、多くの人々にそうした期待感をもってもらえるような商品をつくることです。
南九州大学では、研究室での学びが強く印象に残っています。なかでも、パン酵母を使用した「微小核の形成過程」という研究は、発酵工学会で発表するところまで進展して貴重な経験を積むことができました。
南九州大学で体験する学びも遊びも、きっと自分の財産になるはず。私たち卒業生もいろんな分野で活躍していますので、皆さんもしっかり頑張って、ともに南九州大学の良さをアピールしていきましょう。
小野 天下
園芸学部 造園学科 昭和46年度卒業
宮崎県・延岡高校出身
自然に学び、自然とともに生きていく。それが、私たちの仕事です。
私たちが幼いころは、山や川、海などの自然が遊びのフィールドでした。しかし、経済の成長とともに田園の埋め立てが進み、その光景は私の目に深く焼きつけられ、自分の将来を考えるときの大きな要因にもなりました。
「日本の国土計画に携わりたい」と思った私は、この南九州大学に進みました。残念ながら当時は国土計画を学ぶ授業はありませんでしたが、環境を整えることには違いないと造園学科を選択したのです。当時の目標は、日本一の造園屋になること。
講義で専門の知識を学び、造園業のアルバイトでプロの技術を体得し、独学で、国土に関する本を読みあさるなど、4年という時間をフルに活用しました。もちろん、部活や友だちとの遊びも全力で楽しみましたよ。
卒業後は、一度就職したあと、後輩2人とともに会社を興しました。それが、いま私が代表を務めている「豊造園」。売上を5億円上げるまでは、私たち南九州大学の卒業生だけで頑張ろうと誓い、なんとか実現することができました。
「豊かな緑、豊かな心、豊かな社会」を社訓に、空気、水、土から自然の恵みを学ぶ。地球上の生き物の一員である私たちが、自然と共生できる環境をつくるため、これからも一生懸命頑張っていきます。
岡本 直紀
千葉市立みつわ台中学校教諭
園芸学部 食品工学科 平成13年度卒業
千葉県・千葉北高校出身
自然の魅力や学ぶことの楽しさを生徒たちに伝えたい。
宮崎の魅力は、何といっても豊富な自然とのんびりとした風土。私は、子どもの頃に宮崎で暮らしたことがあったため、大学進学を決めるときも、この土地の雰囲気に惹かれました。
在学中は、山口研究室でさまざまな研究に取り組みました。火山の噴出による石の特色を調べたり、ムラサキツユクサの色素を抽出したり。山口先生はたいへん研究熱心な方で、私たち学生は、そんな先生の姿勢からいろんなことを学ぷことができました。
授業では、教職課程にもチャレンジ。教育実習では生徒たちに教える喜びを実感することができ、その後の私の将来を決める大きなポイントになったと思います。就職を決める際にも先生方に相談し、いろんなアドバイスをいただきましたよ。
現在は、中学校で理科を教えています。大学で学んだ知識はいろんな面で役に立っており、植物のおもしろさや自然の大切さなどを生徒たちに伝えています。
南九州大学には、自分の夢を見つける"きっかけ"がたくさんあると思います。講義や実習、サークル、そして先生方との出会い。自らが積極的に取り組めば、夢は必ず見つけられると思います。大学時代という貴重な4年間を、しっかり楽しんでください。
志摩 二朗
八江農芸株式会社 育種農場(長崎県)勤務
園芸学部 園芸学科 平成8年度卒業
愛知県・岡崎城西高校出身
好きならば体は動く。逆に体を先に動かせば... 大切なのは本人の気持ちです。
私の生まれ故郷は愛知県ですが、育種という仕事に憧れて、現在も故郷から遠いこの長崎で野菜の品種改良を行っています。
ひとつの新しい品種を作りあげるのには、5〜10年を要します。時間がかかるだけに、とても根気のいる仕事だと思っていますが、「継続は必ず力になる」と信じ、頑張っています。ただ、その継続こそが難しいことだと考えています。 そこで、「好きこそものの上手なれ」という言葉の意味も深く実感させられています。好きなことであれば、周りに止められてでも続けていこうとするものです。そして、その継続するということが最後に本当の意味での力となって返ってくるものだと信じています。
私の経験から言っても、大学の4年間は本当にあっという間です。だからこそ、その短い日々の中で、できるだけ多くの人と話し、色々なものを実際に見て、肌で感じて、様々な角度から判断できる人になることが大切です。そのうえで、"自分"というものをしっかり形成していって欲しいと思います。私が、今の気持ちになれたのには、大学での4年間は欠かせないものです。皆さんも頑張って下さい。
鈴木 浩之
農林水産省 横浜植物防疫所 札幌支所 小樽出張所(北海道)勤務
園芸学部 食品工学科 平成3年度卒業
静岡県・袋井高校出身
「食」の安全を守るこの仕事に誇りをもっています。
「食」への関心が高まるなか、天然素材を使用した食品が注目されるようになり、機能性食品も多く出まわりはじめています。そうした時代の動きのなかで、私はさまざまな植物から新しい食品素材を開発する技術に深く興味をもつようになりました。
南九州大学の食品工学科では、「食」をひろい視点から追究することができました。醗酵学や細菌学などの学問的な分野をはじめ、食品の製造や保存技術を習得。また、食品衛生法や流通経済などの知識も身につけることができたし、実習では基礎をしっかりと叩き込まれ、教授や講師の先生方に厳しく、真剣に指導していただいたことを覚えています。 現在私が働いている植物防疫所は、海外からの病害虫の侵入を未然に防ぐため、全国の海港や空港で輸入検疫を行っています。一般にはあまり知られていない仕事ですが、私たちが関わったものは意外とみなさんの身近にもたくさんあるんですよ。
今後、国際貿易はますます活発になり、輸入される植物の種類も多様化するでしょう。しかし、どのような状況になっても、確実に対応していくのがプロの仕事。これからも、専門の知識や技術をさらに磨いて、後輩へしっかりと継承していきたいと思っています。
福山 望
園芸学部園芸学科 蔬菜園芸研究室 平成6年度卒業
宮崎県・高鍋農業高校出身
農業の可能性は、無限。大学で、新しい扉を開く鍵を見つけてください。
子どもの頃から、ピーマンづくりに励む父の背中を見てきたので、自分がその世界に入ることはとても自然なことでした。現在、畑はそれぞれ別々に管理していますが、弟も同じ道に進み、家族みんなが太陽の下で働いています。
作物を育てるのは、本当に根気のいる仕事。手間をかけだしたら、そこには限りがなく、毎年毎日、天候や病気と闘わなければなりません。でも、その分愛情は深まり、見事に実をつけたときの喜びは他の何にも代えがたいですね。
いま研究しているのは、夏でも安定してピーマンが供給できる方法。宮崎の夏は本当に暑くて、この土地ならではの新しい工夫が必要だと感じています。また、これからは規模をさらに拡大して、流通や販売にまで携わり、一貫した体制が組めるようにしたいと思っています。
新しいことへのチャレンジは、すぐに答えが出るとは限りませんが、常に挑戦する姿勢を持っていたいですね。「農業」とひと口に言っても、栽培手法や考え方は実にさまざま。それは農家の数だけあると言っても過言ではありません。しかし、まだまだ未知の部分も多く、それだけに可能性は無限に広がっています。大学は、その可能性を拓く場所です。
皆さんには、ぜひいろんな学問にふれて、広い視野を養ってほしいですね。
福田 直彦
福岡農業高校専攻科実習助手
園芸学部食品工学科 食品機能化学研究室 平成5年度卒業
福岡県・八幡大学付属高校出身
考えながら、学んでいく。農業への好奇心はまだまだ尽きません。
私の勤めている福岡農業高校専攻科は、いわゆる短期大学に準ずる教育を行う専門学校に属していて、高校を卒業した学生が入学してきます。1学年は40人程度。
それぞれ目的意識をしっかり持っているため、教える側としてもやりがいがあります。学生がここで学べる期間は、2年間。だから、入学すると早々に卒業研究のテーマを考えなければなりません。
興味のある分野を探しながら、学生といっしょに取り組んでいく。研究の過程ではうまくいかず、行き詰まることもありますが、そんなときは企業や大学に相談しながら問題を解決していきます。私自身の発見も多く、常に学びの連続。学生とともに研究に励み、成し遂げたときの感動は本当に大きいものです。
南九州大学では、食品機能化学研究室で色素の研究について学びました。そこで得た知識はいまも生かされており、今度は私が教師として学生に伝えています。大学との関わりも深く、現在、私たちの学校と南九州大学で共同研究を進行中。近い将来、その成果を学会で発表できたらと思っています。
研究の答えは、本のなかでは見つけられません。いつも、自分の目と手でふれながら実感していくことが大切です。皆さんも、努力を惜しまず頑張ってください。
河合 嗣生
登録ランドスケープアーキテクト(RLA)
園芸学部造園学科 環境デザイン研究室 昭和57年度卒業
京都府・京都西高校出身
歴史をひもとき、未来に種を蒔いていく。ふたつの視点が、未来のあり方を教えてくれます。
大学卒業後、海外での実務経験を経て、自分のアトリエを構えてまる6年。ランドスケープの設計や環境教育に幅広く携わっています。いま取り組んでいるのは、重要文化財建造物の庭園の修復。家に残る古文書や庭木の樹齢などをひもときながら、当時の風情を復元していきます。庭というのは、時代によって絶えず変わっていくもの。だから、残された木々を単に守るだけでは生きた空間は実現しません。当時の様式美を守りながらも、どのように使われてきたのかを想像する。「いま」という時代に活用されてこそ、呼吸する空間が完成し、歴史を伝えることができます。
このほか、もうひとつ大切にしているのが小・中学生や一般市民に向けた環境教育。緑や土、水など自然の魅力を伝えながら、環境の大切さを感じてほしいと思っています。特に子どもたちの発想はとても豊か、私自身が受ける刺激も多い。将来、この子どもたちが、環境を広い視野で見つめられる大人になってくれたらとても嬉しいですね。古い歴史を探りながら、片方では子どもたちと一緒に未来に種を蒔いていく。一見、別々のもののようですが、「生きた空間や環境をつくる」という挑戦のなかでは、ふたつは同じフィールドの上で息づいています。
皆さんも大学生活をとおしてさまざまなものの見方を身につけてください。そして「夢への気持ち」をいつまでも持ち続けてほしいと思います。
山入端 省悟
オリオンビール株式会社 名護工場
食品工学科 平成5年度卒業
北部農林高校出身
大学の内や外でいい人間関係を作れば、それが仕事にも大いに役立ちます。
沖縄のビールといえば、誰もが知っているオリオンビールです。私はオリオンビールの名護工場に勤務していますが、仕事はいろいろと幅広いですね。テストプラントや新商品開発のための試醸、仕込み工程から醸成工程(醗酵・貯酒・ろ過)、製品工程(ビール充填)まで、さらには酵母を培養したり、市場で発生したクレームに対しての調査報告を営業マンに伝えたり。
一番やりがいを感じるのは、やはりテストプラント。温度調整やカラー、糖度や苦みなどをはじめとした、それぞれの工程でのさまざまな分析値が自分の計算通りにできたときは、嬉しいものです。現在のこうした経験を生かして、いずれは沖縄の風土に合った新しいビールや発泡酒をどんどん開発していきたいと思っています。
仕事を進めていく上で大切なのは人と人のコミュニケーションであり、私はそれを南九州大学で教わりました。大学4年間で得たものは専門的な知識や技術だけではないんです。大学の中でも、また高鍋の町でも多くの人たちに支えられて、それがいまの仕事にも役立っているんですよ。だから、後輩の皆さんも大学の内や外でいい人間関係を作ってほしいですね。
五木田 栄治
東武緑地建設株式会社勤務
造園学科 平成5年度卒業
薬園台高校出身
大学で知り合った友達が同じ業界にいて、その人脈がいろんな意味で心強いですね。
私の仕事は一言でいうと、緑の専門家ですね。都市の再開発やオフィスビル、マンション、個人住宅、ゴルフ場などでの緑化に関係する事業に広く営業活動を行っています。企画・設計の段階から事業主と協力して活動することも少なくありません。そして顧客と打ち合わせを重ねながら緑化の事業を進めていく仕事で、一から作り上げていったものが完成してでき上がったときの喜びは格別ですよ。いまは営業部ですが、以前は工事部に6年ほど在籍していました。どちらの部署にいても、自分が作ったものが形として残り、お客さまが喜んでいる姿を見たときに、この仕事のやりがい、面白さを感じます。
緑の専門家としてお客さまと打ち合わせをするときに、大学で得た樹木などに関する知識は十分役立っていますが、大学時代の人脈が仕事につながったこともあります。そういった意味でも同じ業界に友達がいることは心強いです。いろんな情報交換はもちろん、ときにはお互いに愚痴を言い合ってストレスを発散したりしています。将来は樹木医の資格をとって、緑のエキスパートとしていま以上に広く活動ができること。それが私の仕事の夢ですね。
入谷 伸一郎
京成バラ園芸株式会社勤務
園芸学科卒 平成6年度卒業
保土ヶ谷高校出身
バラについてのオンリーワンをめざして、現場の仕事や勉強会で勉強を続けています。
私がこの会社で担当している仕事の一つは、バラの苗の生産委託業務。下請けの業者を相手にバラの苗の発注や引き取りを行なっています。そして、もう一つの仕事がバラの苗木の生産管理および出荷です。広大な園内で生産しているバラの生育を毎日見守りながらしっかり生産管理して、その出荷まで任されています。
やはり仕事となると、大学時代の知識だけではうまくいきませんから、いまでも毎年学ぶことばかりですね。実は仕事以外でも、私はバラに関するさまざまな商品知識を吸収するための勉強会にも参加しているんです。現場での仕事やこの勉強会を通じて、新しいバラの商品を生み出すことができればと、いつも考えています。私が所属している現在の部門は社内で唯一のバラの生産が学べる部門ですから、このまま頑張っていけば、いつの日かバラに関してはオンリーワンになれる。そう信じているんですよ。また、そういう気持ちがあるから、毎日の仕事にやりがいや誇りを感じることができるのかもしれません。
これから南九州大学で学ぶ人たちには、時間を無駄にしてしないでほしいですね。くれぐれもボォ〜として毎日を過ごすことなく、遊びに学びに精一杯やってください。
駒田 早苗
三重県立四日市農芸高等学校勤務
食品工学科卒 平成7年度卒業
四日市農芸高校出身
私の姿を見て、南九州大学へ入学する生徒が、一人でも増えてくれたら嬉しいんです。
この高校の流通システム科・生産系・販売情報コースでの私の担当は、情報つまりは農業情報処理です。パソコンに関わる授業は、すべて教諭と一緒に指導を行っています。食品工学科で学んだ知識はいまだもって宝の持ち腐れのような状態ですが、大学時代に勉強以外で得たたくさんの事柄がいま大変役立っています。
宮崎にいた4年間、宮崎の気候や方言の話を授業のちょっとした息抜きに話すと、生徒たちは喜んで聞いてくれて和やかな雰囲気になりますから。授業中の生徒たちの反応は一日一日違っていて、こちらが思いもつかないようなことを起こしてしまう子どもたちのパワーには、いつも感心させられます。それが教えることの難しさ・やりがいです。
私が南九州大学への入学を決めたのは、高校時代に南九州大学出身の先生に出会ったことがきっかけでした。そして大学では、高校の先生としてやっていくためのきっかけを作ってくれた先生や仲間たちと知り合うことができました。大学での出会いや経験は、一生の財産です。もし私の姿を見て、私と同じように南九州大学へ入学していく生徒が一人でも増えてくれたらと、いつも思っているんですよ。




