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子ども教育学科 地域貢献

連携幼稚園の子どもたちと “探究的で、ちょっとハード” な芋掘りをしました

子ども教育学科・理科教育研究室(遠藤晃教授)では、SDGs実現のための教育「ESD(持続可能な社会の担い手を育む教育)」の実践研究に取り組んでいます。

 

 当研究室が主催する取り組みのひとつ、農と教育のプロジェクト「掘ったイモはどんなイモ?」では、サツマイモ畑を「探究」の場として、子どもたちの生きる力を育むとともに、学生たちの「子どもスペシャリスト」としての資質・能力育成を目指しています。

 

 このプロジェクトは、環境園芸学部・環境保全園芸学研究室(山口健一教授)、人間発達学部附属環境教育センター、環境園芸学部附属フィールド教育センターとの協働により実現しました。

 10月14日に、人間発達学部の連携学校園*の一つ、天竜祝吉幼稚園の子どもたちを迎えて、ちょっとハードな芋掘りを実施しました。

 春に、子ども教育学科の学生が植え付けた7種類のサツマイモ。

夏には子どもたちが育てたマリーゴールドを定植して病気を防ぎ、猛烈な台風14号の影響もありましたが、今年も順調に育ちました。

 

(これまでの活動はこちらを参照ください→ https://www.nankyudai.ac.jp/topics/11779/

 心配されていた天気も一転。秋晴れのなか、天竜祝吉幼稚園の年長さん25名を都城キャンパスに迎えることができました。

 はじめに、今回のプログラムを考案した学生たちによるスケッチブック・シアターです。

 

 勇者マリーゴールドマンが、サツマイモちゃんにいじわるをするセンチュウマンに困っていたこと、みんながマリーゴールドの苗を育てて助けてくれたので、センチュウマンを追い払うことができたこと、そして、サツマイモちゃんが元気になったことを、ひとつのストーリーとして振り返ります。

 スケッチブック・シアターが終わると、畑へ移動して、お待ちかねのイモ掘りです。

 

 このイモ掘りの特徴は、あらかじめ蔓は切らずに、芋は掘り起こさず埋まったままの状態であること。どこにイモがあるかもわからないので、子どもたちは上手に探して自ら掘り起こすことになります。

 そう、いつもより、ちょっとハードなイモ掘りなんです。

 また、この畑には、色や形の違う7品種のイモがバラバラに植えられていますが、イモの違いに気づき、その多様性に興味をもつこと想定して、子どもたちには、あえて秘密にしてあります。

 さあ、芋掘りが始まりました! 子どもたちは、おもいおもいに、イモを探し始めます。

しかし、はじめは、うまく見つけることができません。

 

 しばらくすると、蔓をたどっていけば、その先にイモが埋まっていることに気づき、子どもたちは、次々とイモを掘り当てていきます。

 この間、サポート学生たちは、イモがある場所や、やり方を教えたりはせずに、子どもたちに寄り添い、見守り、ときには働きかけをして、子ども自身の気づきをゆっくりと待ちます。

 

 子どもたちの様子をじっくり観察するなかで、学生たちは、子どもの持つ能力や社会性に気づき、その見取り方を経験的に学んでいきます。

 「イモ掘りモード」に入った子どもたち。

 誰ひとり、手を休めることなく、みんな、芋掘りに集中し、没頭しています。

 わずか30分ほどの間に、子どもたちは、植え付けたイモをほとんど掘りあげてしまいました!

 イモ掘りのあとは、ドングリ拾いをして、今日のプログラムは終了です。

 子どもたちを見送った後、全員で畑の片付けです。

今回のプログラムも、たくさんの学生たちのアイディアと努力で、無事に終了しました。

今回の経験は、学生たちにとっても学び多いものとなったことでしょう。

 

 

「ジツガク」の南九州大学・人間発達学部では、学部横断的で多面的な教育を通して知の構造化を図り、実践力のある「子どもスペシャリスト」育成に取り組んでいます。