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食品開発科学科

矢野原准教授の原著論文「Rapid Production of Fish Sauce from the Internal Organs of White Sturgeon, Acipenser transmontanus Richardson, 1836」が国際学術誌に掲載されました。

 健康栄養学部食品開発科学科の矢野原泰士准教授(食品加工学研究室)が、宮崎大学農学部田岡先生グループと共同で研究してきたチョウザメ魚醤に関する研究が、Fermentation, Vol.8, No.5に掲載されました。
 本研究は, 令和2年度学長裁量費による「宮崎県内の地域と連携した大学研究ブランディング事業」により実施され、現在も令和4年度宮崎市地域貢献学術研究助成により継続して行われています。

 

◎ジャーナルのHP[Fermentation] は、こちらから

 

論文(概要)

 日本の伝統的な発酵食品である魚醤は、魚介類を高濃度の食塩とともに熟成させて製造される。大豆醤油と同様に、タンパク質が分解されて生じるアミノ酸を調味料として用いているが、大豆醤油では大豆のタンパク質を麹の酵素で分解するのに対して、魚醤では魚介類自身の自己消化酵素で魚介類のタンパク質を分解させるという特徴がある。最近、魚醤は呈味性や保存性の面から、各地で着目されていて、効率的に魚醤を製造する方法(速醸法)についても研究が行われている。

 宮崎県は、チョウザメの養殖が盛んで, 卵(キャビア)の生産量が全国1位である。しかし、内臓は加工の段階で、廃棄物として処分されている。そこで、この内臓を利用した食品として魚醤の製造(速醸法)について検討した。本研究では、50℃で24時間反応させることにより、主要なタンパク質の分解が促進され、エキス化率が向上することを確認した。また、ヒスタミン濃度測定や揮発性成分分析などによって、食品として利用する際の安全性や風味などについても考察した。