環境園芸学科
イモリに寄生する二枚貝を発見―卒業研究が国際誌に掲載
環境園芸学科 自然環境分野の動物生態学研究室における令和6年度の卒業研究の成果が、国際誌『Limnology』の Research reports として掲載されました。
論文タイトル:In vitro study on the parasitism of larval freshwater mussel (Bivalvia: Unionida) on Japanese newt
著者:Kenta Wada, Masaki Takagi, Mitsunori Nakano
DOI:10.1007/s10201-025-00811-x
研究の背景と成果
淡水に生息するイシガイ目二枚貝の幼生は、魚類や両生類に寄生しなければ生き延びることができません。相性の良い宿主に寄生できた幼生だけが生存し、稚貝へと変態します。
これまで、イシガイ目と魚類の関係は多くの研究によって解明が進んでいますが、両生類との関係は十分に分かっていません。特に「どの二枚貝がどの両生類を宿主とできるのか」は大きな謎として残っていました。
今回の研究では、ドブガイ属の幼生が日本固有種のニホンイモリ(アカハライモリ)に寄生し、稚貝へと変態することを初めて確認しました。これは、イモリ科の両生類がイシガイ目の宿主になり得ることを実証した世界で2例目の成果です。1例目は北米に生息するブチイモリとの関係で、本研究は日本産イシガイ目が両生類に寄生できることを示した貴重な事例となりました。
研究支援
本研究は、令和6年度 南九州大学同窓会学部学生支援事業(支援番号:R6-環-4)の助成を受けて実施されました。